この記事の結論:クリニックアーキテクトプロの目安では、テナント内装は坪100万円前後、木造平屋の新築は坪110〜120万円程度です(いずれも税別・医療機器を除く、案件によって変わります)。坪単価の差は小さく見えても、テナントと戸建てでは「費用に含まれる範囲」「付帯費用」「工期」「退去時の原状回復」が違うため、坪単価×坪数に予備費5%を足した額を出したうえで、付帯費用を別に積み上げて比べることが大切です。
執筆・監修:櫨本 健一(ハゼモト建設 代表取締役/一級建築士)
坪単価の目安はテナント坪100万円前後、木造平屋新築は坪110〜120万円程度です
当社の目安は、テナント内装が坪100万円前後、木造平屋の新築が坪110〜120万円程度です。どちらも税別で、医療機器の費用は含みません。診療科や設備の量、物件の状態によって上下するため、あくまで計画の入口で使う数字と考えてください。
坪単価そのものの決まり方や、見積書の読み方は建築費・内装費の決まり方と内装費用の目安と進め方で紹介しています。この記事では、テナントと戸建て新築の「比べ方」と、坪数ごとの「計算例」を中心にお話しします。
テナントと戸建て新築の違いを表で比べます
テナントと戸建て新築の一番の違いは、坪単価の中に建物そのものが入るかどうかです。テナントは借りた区画の内側をつくる費用、戸建て新築は基礎・構造・屋根から内装・設備までを含む費用です。
| 比べる項目 | テナント内装 | 戸建て新築(木造平屋) |
|---|---|---|
| 坪単価の目安(税別・医療機器除く) | 坪100万円前後 | 坪110〜120万円程度 |
| 費用に含まれるもの | 間仕切り・床・壁・天井、給排水・電気・空調などの区画内の設備(C工事が中心) | 基礎・構造・屋根・外壁から内装・設備まで建物一式 |
| 付帯費用の例 | B工事(ビル指定業者の工事)、看板、照明器具、カーテン、造作家具、LAN配線など | 地盤改良、外構・駐車場、看板、照明器具、造作家具、LAN配線、設計料・申請手数料など |
| 土地・物件の費用 | 賃料・保証金などの賃貸条件(物件ごとに異なる) | 土地の取得費または借地料(建築費とは別) |
| 工期の目安 | 着工から約10週間(2か月半〜3か月) | 着工から約3か月、申請準備1〜2か月、開院まで約6か月 |
| 原状回復 | 退去時に必要になることが多い(範囲は賃貸借契約で決まる) | 不要(自己所有の場合) |
| 設計の自由度 | 柱・梁・天井高・排水位置・電気容量などビルの条件に左右される | 動線・駐車場・入口の位置まで計画しやすい |
工期はいずれも目安で、案件によって変わります。テナントでも、ビル側との調整や医療機器の納期で前後することがあります。
計算例:坪単価×坪数+予備費5%で「本体の目安」を出します
計画の最初は、坪単価×坪数に予備費5%を足して本体の目安を出し、付帯費用は別に積み上げる考え方がわかりやすいです。予備費は、解体後に分かる配管の状態や、打ち合わせ中の仕様変更に備える費用です。以下は目安の数字を当てはめた単純な計算で、実際の見積額ではありません。
30坪の場合
| 項目 | テナント内装(坪100万円) | 木造平屋新築(坪110〜120万円) |
|---|---|---|
| 坪単価×30坪 | 3,000万円 | 3,300〜3,600万円 |
| 予備費5% | 150万円 | 165〜180万円 |
| 本体の目安(税別) | 3,150万円 | 3,465〜3,780万円 |
| 付帯費用 | 別途(外構・看板・照明器具・造作家具・LAN・地盤改良・設計料など) | |
50坪の場合
| 項目 | テナント内装(坪100万円) | 木造平屋新築(坪110〜120万円) |
|---|---|---|
| 坪単価×50坪 | 5,000万円 | 5,500〜6,000万円 |
| 予備費5% | 250万円 | 275〜300万円 |
| 本体の目安(税別) | 5,250万円 | 5,775〜6,300万円 |
| 付帯費用 | 別途(同上) | |
このほかに医療機器、消費税、テナントならB工事、戸建てなら土地の費用がかかります。坪数が増えると総額は大きくなりますが、受付や待合など共用の部分は坪数に比例して増えるわけではないため、実際の坪単価は少し下がる場合もあります。
坪単価に含まれないことが多い付帯費用を先に洗い出します
総額を読み違える原因の多くは、坪単価に含まれない付帯費用です。当社の経験では、次のような費用が別になることが多くあります。
- 外構・駐車場、看板
- 照明器具、カーテン・ブラインド
- 造作家具(受付カウンターや収納棚など)
- 電話・LAN配線、防犯カメラ
- 医療廃棄物の保管庫
- 設計料・申請手数料、地盤改良
テナントでは外構や地盤改良がかからない代わりに、B工事が加わります。B工事は先生の負担でありながらビル側が指定する業者が行うため、ほかの会社と比べにくい費用です。物件を決める前に、B工事の範囲を確かめておくと安心です。
テナントと戸建て、どちらが合うかは「総額」と「将来」で考えます
どちらが合うかは、坪単価だけでなく、開院までの期間と、将来の増設・移転の見込みで考えます。早く開院したい場合や、まず小さく始めたい場合はテナントが合いやすく、駐車場を広く取りたい、将来ユニットや診察室を増やしたい場合は戸建て新築が合いやすい傾向があります。
戸建て新築では、木造は鉄骨造やRC造(鉄筋コンクリート造)より建築費を抑えやすく、法定耐用年数が短いという特徴があります。減価償却の扱いは税理士の先生とご相談ください。木造の医院については木造のデンタルクリニックでも紹介しています。
北九州市・下関市・福岡市では、テナントと土地の両方を比べながら検討される先生も多くいらっしゃいます。当社は不動産会社や地主の方との繋がりがあり、物件リクエストからテナント・土地の情報をご提案できます。
よくある質問
Q. クリニック内装の坪単価の目安はいくらですか?
A. 当社の目安では、テナント内装で坪100万円前後、木造平屋の新築で坪110〜120万円程度です。いずれも税別・医療機器を除いた金額で、案件によって変わります。
Q. 30坪のテナント内装だと、総額はどのくらいになりますか?
A. 坪100万円×30坪に予備費5%を足すと、本体の目安は税別3,150万円ほどです。これに看板・照明器具・造作家具・LANなどの付帯費用、B工事、医療機器が別に加わります。
Q. 予備費はどのくらい見ておけばよいですか?
A. 総額の5%ほどが目安です。解体後に分かる配管や床の状態、打ち合わせ中の仕様変更などに備える費用として、資金計画に入れておくと安心です。
まとめ
クリニックの坪単価は、テナント内装で坪100万円前後、木造平屋の新築で坪110〜120万円程度が当社の目安です(税別・医療機器除く)。比べるときは、坪単価×坪数+予備費5%で本体の目安を出し、付帯費用・B工事・土地の費用を別に積み上げます。工期・原状回復・設計の自由度もあわせて見ると、テナントと戸建てのどちらが合うかが見えやすくなります。
クリニックアーキテクトプロでは、企画設計・プランニング・概算見積(たたき2案)までは無料です。敷地や物件の条件を伺えば、翌日に概算の幅をお示しします。テナントと戸建ての比較から始めたい先生も、お気軽に無料相談からご連絡ください。